■ PC-9821As2/U8W をクロックアップするお話
動機

最近、Windows95を使っていると、「動作が重いなぁ」という事をよく感じるようになったのでクロックアップとCPU載せ換えに走ってみました。


概要

CPUをAMDのAm5x86-P75 ADZに載せ換え4倍速動作させる。クロック周波数を33MHzから40MHzに上げる。32MBのメモリを積む。


Am5x86-P75 ADZ

i486上位互換のCPUです。DX4などのCPUと比べて何が違うかというと4倍速で動作できる点が異なります。Windows95の動作が保証されているCPUでもあります。動作電源電圧は3.45Vです。私のマシンのマザーボードは5VのマザーボードだったのでAm5x86を使うには3.45Vに電圧を降下させる為の下駄が必要でした(3500円程度)。この下駄というのはCPUソケットとCPUの間に挿入して使用します。


下駄の設定

CPUに履かせる下駄には色々な条件で使うためのジャンパピンが2つほどあります。1つはCPUに供給する電圧を決めるもので3.3Vと3.45Vの2種類が選べるようになっています。もう一つはCPUの速度設定用のジャンパピンでintel用のCPU用に2倍速,2.54倍速,3倍速の設定と,AMD用の2倍速,3倍速の設定がありますがAm5x86ではintelの2倍速モードの設定で4倍速動作になります。


クロック周波数の変更

現在、基本周波数が33MHzなのでそれを40MHzにする事により40*4=160MHzでAm5x86を動作させる事にしました。さて基版には66.66MHzの水晶発振器がついてますが、これがクロックを生成をしてる発振器です。マザーボード上でこの周波数を半分の33MHzにして使っている訳です。半分にする理由はクロックのデューティーサイクル比の関係だと思います。(説明は長くなるので削除) 40MHzにするのですから40MHzの2倍の80MHzの水晶発振器を取り付けます。(実際には後から周波数の変更を容易にするためにICソケットを取り付けてそのソケットに発振器を取り付けています)


486SXの除去

PC-9821As2には486SXが標準でついてきます。Am5x86を刺すソケットはODPソケットなのでちょいと細工をして本体についてる486SX君に眠ってもらわないと喧嘩してしまって起動しません。今回は486SXがメモリ増設の邪魔になるのと細工するのが面倒という理由で486SX君にはいなくなってもらう事にしました。撤去方法は次のとうりです。まず小さめのマイナスドライバを486SX(QFP)の足にあてがいます。ノミをトンカチでたたく要領でマイナスドライバを叩き486SXの足をどんどん切断していきます。この方法は殆どのQFPチップを除去する時に有効な手段だと思います。上手くやれば基版はまったく痛みません。そして486SXを剥がし終わったら、残ったCPUのピンをハンダゴデで加熱し除去します。ピンは除去しなくても大丈夫ですが残しておくときは切断したピン同士が接触しない様に注意してください。


メモリの増設

32M SIMMを使ってメモリを増設します。メモリにはFPの72PIN パリティ有りのSIMMが使えます。32MBのパリティ有りのSIMMは背丈が高いので一部のメモリボードだと物理的に実装できません。メルコのメモリボードなどは背丈の高いSIMMでも余裕で実装できる様です。私の使ってる親亀メモリボードはIO DATAのAP34ですがAP34でも32MBのSIMMは実装できます。初めからメモリが載っていた斜めのソケットには余裕でさせますし垂直タイプのソケットにも1番目のスロットなら普通に。2~4番目のスロットは486SXを除去すれば実装する事ができます。4番目のスロットは4Mか16MのSIMMを刺した方がいいでしょう。試しに8MのSIMMを刺してみましたが4MBのSIMMとしてしか認識してくれませんでした。


結果

40MHzの使用では、MS-DOSからウィンドウアクセラレータボードをアクセスした場合に書き込みミスが発生するようで所々点々がみられる様になってしまいました。またWindows95のrun32.exeが正常に動かなくなってしまったので現在は33MHzに戻しています。そのうち37MHzあたりで再挑戦してみたいと思います。Am5x86とDX4-ODPの速度差を比べてみましたが、同じ速度設定ではDX4-ODPの方が1枚上手の様です。4倍速にすればAm5x86の方が速いんですけどね。メモリに関しては特にありませんが某BBSの情報によるとPC-9821A*2の最大搭載メモリは120MBあたりが限界みたいです。


2nd cacheについて1(1998年8月に追記)

私はメルコの2nd cacheボードを使っていましたが、改造後も正常に動作していました。NEC > IO DATA > Melco の順に正常に動作する可能性が高いという噂です(^^;


使用感

40MHzの時はInternet Explorer の画面のスクロールとかがキビキビした感じになりました。33MHzだとあまり速くなったような気がしません(^^; 37Mとか38Mで再度挑戦してみたいと思っています。(さっさと NEW machine買えって話もあるけど(^^;)


Written at 1997.2.3 by ふゆ

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